ホスト型とハイパーバイザー型

サーバー仮想化の方法はたくさんありますが、今現在(2013年現在)主流となっているのはソフトウェアによる仮想化です。

ソフトウェアによる仮想化とは、その言葉どおり、専用の仮想化ソフトウェアを使用して、ソフトウェア的にサーバー仮想化を実現します。

仮想化の実装方法は、ホスト型とハイパーバイザー型の2種類に分類できます。

ホスト型

ホスト型のサーバー仮想化とは、WindowsやLinuxなどのOS上で、アプリケーションの1つとして動作する仮想化ソフトウェアによって実現されるものです。つまり、WindowsやLinuxなどに仮想化ソフトウェアをインストールし、そのソフトウェア上で仮想マシンを稼働させる方法です。
仮想化ソフトウェアをインストールしたOSが「ホストOS」となり、仮想化ソフトウェア上で動作するOSが「ゲストOS」となります。

ホスト型の代表的な仮想化ソフトウェアとしては、VMware Workstation Player(以前はVMware Player)、VMware Fusionなどが挙げられます。

VMware Workstation PlayerはWindowsもしくはLinux上で動作する仮想化ソフトウェアであり、ソフトウェア開発現場では試験やデバッグ等の目的で、よく使われています。

VMware FusionはMac上で動作する仮想化ソフトウェアです。
近年、Macを使うユーザーが増えていますが、それでもまだ世の中のクライアントOSの大半はWindowsです。
そのため、Windows向けのサービスは非常に多く、Mac非対応の場合も少なくありません。

Macユーザーにとって、そこで重宝するのがVMware Fusionです。
VMware Fusionを使用し、Windowsを仮想化すれば、Mac上でWindowsアプリケーションを容易に実行できます。
動画視聴やゲームも違和感なく動作します。

サーバー仮想化というより、クライアントOSの仮想化などでも使われることが多いのがホスト型です。

ハイパーバイザー型

ハイパーバイザー型のサーバー仮想化とは、サーバーへ仮想化ソフトウェアを直接インストールし仮想マシンを稼働させることで実現されるものです。つまり、仮想化のためのOSのようなものを、サーバーにインストールし、そのOSの上で仮想マシンを稼働させる方法です。

ハイパーバイザー型の代表的な仮想化ソフトウェアとしては、VMware ESX、VMware ESXi、Hyper-V、Xenなどが挙げられます。

ハイパーバイザー型の仮想化ソフトウェアは、仮想化のための専用OSと言え、自身のリソース制御の影響を最小化し、仮想マシンに対して、物理サーバーに搭載されているリソースの性能を最大限に提供することを目的として開発されています。

そのため、ホスト型の仮想化ソフトウェアより、性能や信頼性など多くの点で上回っており、現在は、サーバー仮想化の主流のタイプとなっています。

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