VMware FT(Fault Tolerance)もVMware HAと同じく、クラスタを実現する機能です。
VMware FTは、vSphere4から搭載された新しい機能であり、VMware HAの弱点を補完した機能と捉えることができます。
VMware HAは、障害が発生した際、仮想マシンを一度再起動させることになります。
つまり、その間はダウンタイムが発生してしまいます。
また、障害時にゲストOS上のメモリーにのみ存在し、ディスクへの書き込みが終わっていないデータは消失してしまいます。
VMware FTは、それらの問題を解消します。
仕組みとしては、同時に異なる物理サーバー(VMwareESXi)上で仮想マシンそのものを二重で稼働させ、一方で障害が発生した場合は、もう一方に直ちに引き継ぎ、切り替えることで、ダウンタイムをほぼ0にでき、メモリー上のデータも保護します。
VMware FTは、その名のとおり、「2台のホストで同じ動作をする」というフォールトトレラントを実現する機能ということです。
ただし、待機系の物理サーバー(VMwareESXi)でも常時、同じ仮想マシンを稼働させている分、負荷がかかるというデメリットもあります。
VMware HAとFTそれぞれにメリット・デメリットがありますが、2つを使い分けることで、互いの弱点を補完しあえる関係を築くことができます。