VMwareESXはVMwareESXiの上位版にあたるハイパーバイザーであると思われてる方が多いようですが、それは少し違います。
なぜなら、VMwareESXiはVMwareESXの機能縮小版だとは単純に言えないためです。
VMwareESXもESXiも、VMkernelというVMware社が開発したカーネルにより構成されます。
VMkernelはCPUやメモリ、ストレージなどの物理リソースを制御および管理などを行います。
VMwareESXとESXiの違いはここからです。
VMwareESXはVMkernel上で汎用OSベースのサービスコンソール(COS)が動作します。
サービスコンソールは、CentOSをベースに開発された特別な仮想マシンであり、VMwareESXのシステム管理機能やVMkernelを制御するためのインターフェースを提供します。
VMkernelはユーザーインターフェイスを持ち合わせていないため、telnetやsshによりコマンドラインインターフェイスで操作や設定をしたい場合は、このサービスコンソールを介してVMkernelを操作することになります。
つまり、VMkernelにはカーネルとしての機能しか備わっていないため、サードパーティ製のバックアップエージェントや監視エージェントなどをプラグインで利用するためには、管理用のOS環境が必要になります。
その管理用のOS環境がサービスコンソールということです。
一方、VMwareESXiにはサービスコンソールは存在しません。
サービスコンソールが存在しないため、VMwareESXiのサイズはわずか数百MBと極めて小さいサイズに収まっているわけです。(VMwareESXは数GBのサイズになり、その総容量の約98%がサービスコンソールにより使われています。)
このため、攻撃対象となり得る領域も小さくなり、セキュリティの面ではVMwareESXiはESXより優れていると言えます。
まとめると、VMwareESXとVMwareESXiの決定的な違いはサービスコンソールが動作しているのか、していないのかになりますが、それにより、それぞれアーキテクチャは異なっており、メリット・デメリットも別れます。
そのため、単純にVMwareESXiはVMwareESXの機能縮小版だとは言えないというわけです。
2013年現在の最新版であるVMware vSphere5では、ESXのアーキテクチャは廃止され、ESXiアーキテクチャに統一されました。
そのため、ESXのアーキテクチャで運用したい場合は、VMware vSphere4以前のバージョンを選択しなければならなくなっています。